【Study blog】〚魔術理論の為の物理学〛 数学編 〈1〉 一重和と多重和 ~Σを使った和の計算~ – blog no. [1] –

一重和と多重和
~Σを使った和の計算~
〚魔術理論の為の物理学〛シリーズ
0. はじめに

こんにちは,小夜貫≪さよぬき≫です.

今回は記念すべき『つむログ』初投稿の記事にして,〚魔術理論の為の物理学〛シリーズの初回になります!
このシリーズでは,作家を目指す小夜貫が,夢であるファンタジー世界の創作に向けて,少しずつ物理学を学んでいきます.
魔力とは何か? 素粒子なのか? 或いは第五の力なのか? そういう魔術理論,ファンタジー世界の創作に関する根本的なところを,哲学的な主観的考察だけでなく,物理学による客観的な記述と織り交ぜて考察,シミュレート,創作していくことで,より論理的な世界観構築を行うことを目的としています.

つまりは,“もう一個世界を創ろうよ!”という試みです!

……まぁ,笑っていてくださいませ.
私の理性にも疑心はありますが,夢なので仕方がないのです.本能君は強いのでした.

というわけで,さっそく物理学にレッツゴー!
……とできれば早いのですが,私の数学的センス,能力がそれを許しません.
結局のところ,物理学的に物事を知りたいからやっているわけなのですが,数式が読めなければ,肝心の書物も読めません.世の中には,物理学を学ぶための最低限の数学について書かれた書物というものがあります.実際に,皆さんもそこから始めるのが順当な手続きだと思われているわけです.
そういうわけで,今回から始まるのが数学編です.まずは数式を読めるようにしてから,物理学のテキストを手に取っていく.そういう手順でいこうということです.
最初はあまり乗り気ではなかったのですが……(中学高校と苦手科目でした).
しかし勉強してみると案外面白いのです.理解できた,と思ったときが特に.勉学とは本来こういうものなのでしょうね.

さて,それでは本編に入る前に,準備だけしてしまいましょう.

0 – 2. 数学編で一貫して使うメインテキストについて

数学編で一貫して使っていくメインテキストですが,こちらになります.

https://haltasaki.github.io/books/math/
(田崎晴明『数学 ―物理を学び楽しむために―』暫定版(2026年3月))

そう,まさかのフリーなのです.
ですが,だからと決して粗末なテキストなわけではありません.
といっても,最初から暗記させるようなテキストでないのは確かですが,良書かどうかなどの判断は,今の私にはできないのは事実です.
しかし,私は初学者ということですから,セオリー通り一つのテキストを極めるというのがいいだろうということで,田崎氏のテキストを選ばせていただきました.もう一冊,紙の本で,「物理学の為の数学」みたいな本を持ってはいるのですが,そちら,「私も暗記から入らされて辛かった,このテキストではそういうことは避けたい」とか書いてたくせに,最初から「基本的な性質はこちらです」とか言って三角関数など暗記させて来ましたからね.
だから,私は“なぜ”,“どうして”を知りたいのだ‼
というわけで,やっぱり説明の豊富なテキストがいいなとも思った次第.何もかも,わかりやすく説明する必要はなくて,私が自分で考えるための補助となってくれるだけで十分なのです. AI も使いはしますし,十分助けられてもいますが,彼らはハルシネーションしますからね.テキストにもあるのですが,正解を求めて AI に尋ねることはしたくありません.というか,そういうのは人に尋ねても無駄でしょう.

0 – 3. 管理人の立ち位置について

それから,もう二つ説明しておくべき事項があるのですが,まず一つ目.勉強ブログを書くときの私の立ち位置についてです.
つまり,テキストを紹介して解説,だと著作権侵害の危険があると判断したわけです(私は司法の専門家ではないので詳細はわかりかねます).
そこで本ブログでは,進行具合はテキストに準拠しつつ,独自の言葉,視点,考えから,“数学”の解説をしていこうという方針を,一先ずのものとしておきます(2026/03/22).テキストから引用するなどのことはありつつも,それは私が行う数学の解説を補強するためのものであって,テキストを解説するのではないよ,ということです.また,私の考えを整理しているブログとも言い換えられます.
ただ,あくまでも数学初学者が学習したことをアウトプットしているだけ,という本質は変わらないので,素人理論であったり素人理解に基づく解説だったりすることは,承知の上でご覧いただければと思います.
それから,引用など著作権に関して,万一ということはあるかと思います.もし気になることがございましたら,お気軽にお問合せフォームまでお寄せください.
フォームはこちらになります.

0 – 4. ユーザー「じゃあ僕らはなんのためにブログを見るのさ」

「0 – 3.」 を要約すれば「数学の解説をするけど,勉強している人の解説なので,間違ってても許してね☆」ということになっちゃいますよね.
なので「じゃあ,僕らユーザーはこの記事に何の価値を見出だせばいいのさ」ということになるかと思います.
もちろん,楽しみ方は人それぞれです.そこに私が口を挟むことは,基本的にはありません.
しかし,何も提案しないというのも,発言者としてどうかと思いましたので,一応この記事の楽しみ方というか使い方というかを挙げておくと…….

・ご自身の考えを深めるための,他人の視点の一つにする.
・こういう躓き,誤解もあるのだと知って.ご自身の数学指導に役立てる.
・その他,作家を夢見る人間を応援できる. など……

という感じです.
いちブロガーとして皆さんに役立つ有益な情報を共有する,ということは,本ブログでは難しいかもしれませんが,もし,このブログに価値を見出だせたよという方がいらっしゃいましたら,是非お読みいただければ嬉しいです.

さて,シリーズの紹介を兼ねた前書きと準備はここまでとしておきます.そこまで書くこともないのです.

というわけで,次から本編です.いってみましょう‼

1. 和の記号と一重和

物理学の本など眺めていると,記号だらけの公式や方程式をよく見ますよね.
実例を挙げると頭が痛くなるかもなので控えますが,今回は特定の和を表す時に用いる記号「Σ≪シグマ≫」に関連した記事になります. 例えば,次のような数式を考えます,

$$
1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
$$

ただ,こうして書くと長いです.これをコンパクトに表現するために,「Σ」という記号が使われます.
実際に,(1)を表現すると,次のようになります.

$$
\sum _{i=1}^{10}{i}
$$

これはつまり,「変数 $i$ が $1$ ~ $10$ までの値をとります.この時, $1$ ~ $10$ までを足していってください.」ということです.
文中で式を使う場合は, $\sum _{i=1}^{10}{i}$ のように記述するのが慣例らしいです.
また, $a_1, a_2,\cdots$ をなにかしらの数列としたとき, $k$ と $l$ を $0 < k < l$ を満たす整数として,田崎(2026, p9)では,最終的に次のように一般化されると紹介されます.

$$
\sum _{i=k}^{l}{a_i} := {a_k}+{a_{k+1}}+・・・+{a_{l-1}}+{a_l}
$$

※「 $:=$」というのは,右辺で左辺を定義するよ,ということです.

さて,ここで少し飲み込みにくくなったと思います.
一番の難所は,やはり $a_i$ でしょうか.
では,次で $a_i$ について解説をしていきます.

1 – 2. $a_i$ とはなにを表しているの?

極論を言えば, $a_i$ は記号ですので,多分 $x$ や $y$ というのと同じです.何をどう当てはめようと構いません.とはいえ,時間を $t$ と置いたりするように,セオリーというか,暗黙の了解みたいなものはあると思います.そうでなければ,わざわざ $a_i$ という形は採らないと思います.
そういうことで私の理解を示しますと. $a_i$ は,
「数列 $a$ がある時,変数 $i$ によって決まる, $a$ の項一つ一つ」
を表しています.
より数学的に言うと,
「 $a_i$ は,数列 $a$ の $i$ 番目の項」
です.

さて,数列とか,項とか出てきました.これらが分からないという方には,以下で解説してみますので,ご参考ください.

1 – 2 – 1. 数列とは?

数列とは数字が並んでいるものをいうそうです.私は, $a = {1, 5, 9, 3, 4, 3, 6}$ というのを考えました.おそらく規則性はないし, $3$ が二つ入ってもいます(この場合被りというのか,それとも別の数字とみるのか…….個人的には後者な気がしますが,どうなのでしょうね).しかし,数字の並びですから,これも数列と言えるのでしょう.
規則的なものもあります.自然数の並びなら $a = {1, 2, 3,\cdots }$ だし, $11$ を始まりとした自然数の並びなら $a = {11, 12, 13,\cdots }$ だし,二の倍数なら $a = {2, 4, 6,\cdots }$ になります.

1 – 2 – 2. $a$ の項とは?

$a = {1, 5, 9, 3, 4, 3, 6}$ なら, ${1, 5, 9, 3, 4, 3, 6}$ の,一つ一つが項です.
『Wikipedia』には(ブログなのでWikipedia参考は許してくださいませ),数列においては,「各々の数の“置かれるべき場所”は数列の項 (こう、英: term) と呼ばれる。」とあります.
また,『コトバンク』の「日本国語大辞典」の項目には,「数列および級数を構成するおのおのの数、または、式。」とあります.
数が入る「場所」なのか,数「そのもの」なのか,曖昧ですが,『コトバンク』の同ページ「ブリタニカ国際大百科事典」の項目には,「級数 $a_0+a_1+…$ で各 $a_n$ のことをいう。」とあるので,「数そのもの」とします.
再度具体例を出すと, $a = {2, 4, 6,\cdots }$ なら, $2$ や $4$ や $6$ や,あるいは $22$ や $136$ などなどといった数字が項にあたります.

1 – 2 – 3. 「 $a$ の項一つ一つが変数 $i$ によって決まる」というのはどういうこと?

では,本題に戻ります.
$a_i$ は「数列 $a$ がある時,変数 $i$ によって決まる, $a$ の項一つ一つ」でしたね.別の言い方をすれば,「数列 $a$ の $i$ 番目の項」なのでした.
(定義というより,慣例なのでしょうが,)
具体的に考えてみます.

$$
a = {1, 5, 9, 3, 4, 3, 6}
$$

このように数列 $a$ がある時,「 $i$ が,どの項を取ってくるか決める」ということなのですが,ここで疑問が浮かびますよね,「 $i$ は何を基準に,取ってくる値を決めるのさ」と.
それに対するアンサーとしては,以下のように提示します,
数学において,項を示す慣例として,「数列 $a$ の $i$ 番目」という表現が用いられます.具体的に, $a = {1, 5, 9, 3, 4, 3, 6}$ を使ってみてみると, $1$ 番目の項は $1$ , $2$ 番目の項は $5$ , $5$ 番目の項は $4$ となります.

つまり,左端から項の数を数えて $i$ 番目を, $i$ 番目の項,と呼ぶ慣例があるのかな,と.
そしてこの $i$ 番目の項を, $a_i$ と表記します.
また,規則的な数列の項は,数式を使って表現できます.例えば, $a = {2, 4, 6,\cdots }$ の時, $i$ 番目の項 $a_i$ は, $2i$ です.(こういうのを,一般項というそうです.)

因みに, $a_i = 2i$ の場合を図解するとこんな感じ.

なお, $a_i =$ の続き(右辺)としては, $2i$ のほかにも,数列によって, $i$ とか,$10 + i$ とか, $5i – 2$ などなど,そういったようなものが考えられてきます.
どの式でも,右辺の $i$ が決まれば $a_i$ が決まるようになっていますよね.
もちろん $a = {1, 5, 9, 3, 4, 3, 6}$ の数列のように,数式で項の規則を表現できない可能性のあるものもあります.

〇ここで疑問

Q, $i$ (インデックス)は左から数えているけど,右や真ん中からではだめなの? どういう理由でそんな慣例があるの?
A,
数列 $a$ の $i$ 番目はすべて,左から $i$ 番目になっていました.しかし,それでは基準が曖昧というか,どこが左端なの? という感じになります.管理人はなりました.だって,数列には $-$ 方向にも $+$ 方向にも無限に続くものがありますからね,それで少し考えたのですが,よく見てみると, $a = {2, 4, 6,\cdots }$ などのように定義されていれば,視覚の上では左端がありますよね.これが基準になっているのかもしれません.
とはいいつつ,これが右端を基準にしていて, $a = {\cdots 2, 4, 6}$ ということでしたら, $a_i = $ がうまく立てられないのですよね,このあたりが,左端から数える必要性と関係している気がしますが,一旦棚上げにしておきます.今後見えてくるといいです.

〇管理人のつぶやき

AI 曰く,「「 $a = {2, 4, 6,\cdots }$ だから, $i$ 番目の項 $a_i$ は, $2i$ と表現される」という順番ではなく,「 $i$ 番目の項 $a_i$ が, $2i$ と定義されたから, $a = {2, 4, 6,\cdots }$ になる」という順番だということでした.つまり,規則を定めることで数列が決まるのだ,ということですね.確かに,項が $2i$ である,とかとかの規則を定めれば数列は決まります.しかし,個人的には,数列 $a = {2, 4, 6,\cdots }$ という書き方の時点で,各項は $2i$ である,と定義していることにはならないのかな,なんて思いました.つまり,「この数列 $a$ の項には規則があるんだけど,それが $a_i$ ネ.」というのも悪い言い方ではないのではないかな,と.

〇管理人のつぶやき

さっきのつぶやきに関連して,「「項の規則」が $a_i$ で,その結果数列 $a$ が決まる」のかなと思いました.
$2i$ とか $10 + i$ とかいうのは,項ではなくて,「項の規則」なのかな,と.だって,項というのは,数列の中の値です.確かに,「$a_i$ は $i$ 番目の項」とはいいます.本ブログでもその表現は使いました.しかし, $a_i$ というのは,数列 $a$ の,変数 $i$ によって決まる全ての項を指しているので,「$a_i$ は $i$ 番目の項」と,特別に言えるというだけではないでしょうか.
つまり何がいいたいかというと,規則 $a_i$ と項 $a_i$ は,形が同じだけの別物なのでは? などと思ったりしたということです.初学者理論ですが,どうなのですかね.
※ちなみに規則規則言ってますが,数学的な定義はまだ確かめておりません! 確かめ次第修正必要なら入れます!

1 – 3. ${a_k}+{a_{k+1}}+・・・+{a_{l-1}}+{a_l}$ を解体する

さて,本筋は,

$$
\sum _{i=k}^{l}{a_i} := {a_k}+{a_{k+1}}+・・・+{a_{l-1}}+{a_l}
$$

というところでした.
こちらの数式はごちゃごちゃとしていて,難解に見えますが, $a_i$ について理解している状態で少しずつ考えれば,紐解けると思います.

まず,復習です.

$$
\sum _{i=1}^{10}{i}
$$

この数式は,

$$
1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
$$

このような和を示しているのでした.
また,

$$
\sum _{i=k}^{l}{a_i}
$$

ですが,これは,添字 $i$ が $k$ から $l$ までの値をとることを示しています.
これらを踏まえて, $\sum_{i=k}^{l}{a_i} := {a_k}+{a_{k+1}}+・・・+{a_{l-1}}+{a_l}$ が具体的にどういうものなのか,見ていきましょう.

Step 1. $a_k$
これらを踏まえて見てみると,まず $a_k$ というのは,言わずもがなかもしれませんが,数列 $a$ の中の項です.例として使っている数式では, $i = k$ ,つまり,$a_i$ について, $a_k$ から $a_l$ までをとるよ,ということなので,数列の一番端っこでもあります.

Step 2. $a_{k + 1}$
続いて, $a_{k + 1}$ は,数列 $a$ の中の, $a_k$ の添字 $k$ に $+ 1$ するよ,ということなので, $a_k$ から $a_l$ に向けて一つ進めた項,ということになりますね.また, $a_k$ に隣接する値でもあります.

Step 3. ${a_{l-1}}$
そして, ${a_{l-1}}$ は,$a_{k + 1}$, $a_{k + 2},\cdots$ と, $a_k$ から $a_l$ に向かって項を進めていった内の, $a_l$ の一つ前の項です.

Step 4. ${a_l}$
最後に ${a_l}$ というのは $a_k$ と同様,数列 $a$ の中にある一つの項で,一番端の項です. ${a_{l-1}}$ の隣の項でもありますね.

さて,ここまででなんとなく想像がついたかもしれません.

つまり, ${a_k}+{a_{k+1}}+・・・+{a_{l-1}}+{a_l}$ というのは, $a_i$ を順番に,一つ一つ記述していただけなのですね.

具体的に数字を当て嵌めてみましょう.$k = 1$, $l = 4$ とします.すると,

$$
\sum _{i=1}^{4}{a_i} := {a_1}+{a_2}+{a_3}+{a_4}
$$

となります.
実際に数字を当てはめてみて,確認もできたかなと思います.

2. 多重和

さて,表題の通り,多重和にも進みます.

多重和というのはつまり,先ほどまでの, $\Sigma$ で表される一重和が多重になったもので,イメージとしては, $\sum \sum a$ みたいな形になるイメージです.
以下,メインテキストを参考に条件を定めて,実際に見ていきましょう.

正の自然数 $i = 1, 2, \dots$ と,同じく正の自然数 $j = 1, 2,\dots$ を決めたとき,実数 $a_{i,j}$ が定まるとする.さらに, $0 < k < l$ を満たす整数とする.

さて,多重和のコンパクトな形を示す前に,メインテキストに倣って,少し面倒な多重和の書き方をしてみます.

$$
\begin{equation}
\begin{split}
\sum_{i=1}^3 \sum_{j=1}^3 a_{i,j} := \sum_{i=1}^3 \Biggl(\sum_{j=1}^3 a_{i,j} \Biggl)
\end{split}
\end{equation}
$$

これをコンパクトに表現したいので,どうしようかというと,取り敢えず(10)の式を展開して,最後に右辺が $a + b + c + d + \dots$ みたいになっていれば,一つの $\Sigma$ で表現できそうなので,展開してみましょう.うまくできなければその時に考えます.

$$
\begin{equation}
\begin{split}
\sum_{i=1}^3 \sum_{j=1}^3 a_{i,j}&:= \sum_{i=1}^3 \Biggl(\sum_{j=1}^3 a_{i,j} \Biggl)\\
&= \sum_{i=1}^3 (a_{i,1} + a_{i,2} + a_{i,3})\\
&= (a_{1,1} + a_{1,2} + a_{1,3}) + (a_{2,1} + a_{2,2} + a_{2,3}) + (a_{3,1} + a_{3,2} + a_{3,3})\\
&= a_{1,1} + a_{1,2} + a_{1,3} + a_{2,1} + a_{2,2} + a_{2,3} + a_{3,1} + a_{3,2} + a_{3,3}
\end{split}
\end{equation}
$$

なんとか展開できましたね.実はこれはテキストに例として掲載されているのですが,一応見ずにやりました(もちろん一回読んだ後でですが).

さて,お気づきかもわかりませんが,最終的には右辺が $i = 1, 2, 3$ , $j = 1, 2, 3$ の時の $a_{i,j}$ の全パターンの足し算になってます.
数学ではこの時,

$$
\begin{equation}
\begin{split}
\sum_{i,j=1}^3{a_{i,j}}
\end{split}
\end{equation}
$$

のように表現します.
メインテキストに従うと,より一般的には,

$$
\begin{equation}
\begin{split}
\sum_{{i,j}=k}^l a_{i,j} := \sum_{i=k}^l \Biggr(\sum_{j=k}^l {a_{i,j}}\Biggr)
\end{split}
\end{equation}
$$

となります.
恐らくですが, $\Sigma$ の下の部分(ここでいうところの $i,j = k$ )は,本来は $単一の記号 = k$ という感じになるのでしょう.この式の右辺で,結局展開していますからね.しかし, $\sum_{i=1}^l \sum_{j=1}^l a_{i,j}$ は,形が非常に似ているから,省略してしまえ! ということで(12)や(13)のようになったのだと思います.

〇ここでポイント

$a_i$ というのは,「数列 $a$ の $i$ 番目の項」を指しているのでした. $a_j$ はどうかというと,むろん,「数列 $a$ の $j$ 番目の項」です.
では, $a_{i,j}$ はなんなのでしょうか.
ここで注意したいのは, $a_{i,j}$ という記号が, $a_i$ と $a_j$ に分解できそうな顔しておいて実はそんなことない,ということです.
管理人の間違いを記述すると,「 $a_i$ と $a_j$ で数列 $a$ を共有しているから,項の決まる規則を揃えなければならない」と考えてしまいました.つまり,「数列を共有しているので,例えば, $a_i = 2i$ としたのに, $a_j = j + 10$ などとするのはNGだ」と.恐らく, $a_i$ と $a_j$ がある時には正しい論理なのだと思います.しかし,先述の通り $a_{i,j}$ は $a_i$ と $a_j$ という意味ではないので,ここでその考え方をするのは間違いなのです( AI がそう言ってました).
では, $a_{i,j}$ はなんなのかというと,「 $a$ の項が $i$ と $j$ の組み合わせによって決まるよ.その決まったものが私( $a_{i,j}$ )になるよ」ということです.よりイメージしやすくいうと,エクセルに項が入っていて,それを行 $i$ と列 $j$ で指定している感じです.
つまり,「数列 $a$ の, $i$ 番目と $j$ 番目」ということですね.

〇管理人のつぶやき

ということは, $a_{i,j}$ というのは二次元を表現しているのでしょうか.だとしたら, $a_{i,j,k}$ となれば,三次元でしょうか.
それから,行 $1$ ,列 $たくさん$ ,もしくは行 $たくさん$ ,列 $1$ でもいいのでしょうか.
また,仮に $a = {1, 5, 9, 3, 4, 3, 6}$ だとして, $3 * 3$ マスで考えてもいいのでしょうか(ダメかも.というのも項のない部分ができるので.そう考えると行などは $1$ 列になっていいのかも).
自分で解説しておいてなんですが,まだまだ分からないことたくさんです.

3. まとめ

まとめです.一重和,多重和のポイントは以下でしょうか.
まずは一重和から.

$$
\begin{equation}\begin{split}
\sum _{i=k}^{l}{a_i} := {a_k}+{a_{k+1}}+・・・+{a_{l-1}}+{a_l}
\end{split}\end{equation}
$$

読み方としては,数列 $a$ の項 $a_i$ の $i$ に $k$ ~ $l$ までを当て嵌めていき,項を全て取り出して,足し合わせてね.
そして $a_i$ とは,数列 $a$ の $i$ 番目の項でした. $a = {1, 5, 9, 3, 4, 3, 6}$ なら, $1$ 番目の項は $1$ , $2$ 番目の項は $5$ , $5$ 番目の項は $4$ でしたね.

多重和は

$$
\begin{equation}
\begin{split}
\sum_{{i,j}=k}^l a_{i,j} := \sum_{i=k}^l \Biggr(\sum_{j=k}^l {a_{i,j}}\Biggr)
\end{split}
\end{equation}
$$

で定義されました.
また, $a_{i,j}$ は一つの記号であって, $a_i$ と $a_j$ に分解可能なのではないのでした.では,どういうものかと言えば,「 $a$ の項が $i$ と $j$ の組み合わせによって決まる」とき,その項を $a_{i,j}$ と呼ぶのでしたね.

以上,まとめです.
ここまでお付き合いいただきありがとうございました.
次回は,クロネッカーのデルタをやります.今回に比べると大分短くなるかもですが,お待ちいただければ嬉しいです.

それでは,お疲れ様でした!

【参考】
田崎晴明『数学 ―物理を学び楽しむために―』暫定版(2026年3月)https://haltasaki.github.io/books/math/
『Wikipedia』「数列」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E5%88%97#%E9%96%A2%E9%80%A3%E9%A0%85%E7%9B%AE (閲覧:2026/3/23)
『コトバンク』「項」https://kotobank.jp/word/%E9%A0%85-61348#w-1956578 (閲覧:2026/3/23)

※情報の正確性には細心の注意を払っておりますが,間違いが含まれる可能性があります.管理人については,「勉強を教えてくれる「頭のいい」友達」くらいに思っていてくださいませ.
何卒宜しくお願いします.